むめい

音楽、映画、小説、スポーツ、ノルウェーのこと、とか。

6 それでも世界は回っていく

まだ実感が無い。友達がひとりこの世界からいなくなった、らしい。昨晩の午前四時、俺はバイトが朝早くあるので早起きしなきゃと思い、その気持ちから変に早起きをしてしまった。とりあえず、とラインを見るとそこには信じられない言葉が載せられていた。友達が亡くなった、と。意味が分からなかった。悪い冗談か?乗っ取られたのか?夢か?まだ信じられない。気持ちがぐちゃぐちゃになる。今日はもう気持ちを整理したくて書く。ラインを見て、訳が分からないけど涙がぼろぼろ出た。実感なんてまるで無かったのに涙が出た。手の震えが止まらない。なんで?って何回も言ったけどラインの文面は一つも変わらない。21日が誕生日だったじゃないか。おかしいよ、そんなの。

今年の夏、地元に帰省した時も一緒に飲んだじゃない。ヤマハインターン行くんだろ、なあ、楽器やらないのかよ。彼女、次はまともなやつにするんだろ。馬鹿なこと言ってよ、なんなんだよもう。時間を止めないでよ、Twitterも誕生日から更新されないのおかしいよ、なんかつぶやけよ、なんでもいいよ

楽譜覚えるのめちゃくちゃ早いんでしょ、俺読譜苦手だからさ、すげえなって思ったよ、一日で三曲だっけ、暗譜したんでしょ。

自転車のかごかぶってライブ出てきたの意味わかんなかったな、面白かったよ。

浪人の時も頑張ろうって言ってたなあ。

全部過去形になるの嫌だな、どうにかなんねえかな、帰省したら現実を見なきゃいけないのホントにキツい。

中高六年って思ってるより人格形成に影響してて、みんな俺を形作ったピースだった。今でもそうだし、これからもそう。

お前だってそうだよ、音楽の仕事するのすげえかっこいいなって思ってたのに。

マジでどうにかならんかな、わかんねえよ、認められんわ

そんななのに普通にクリスマスして楽しんでる自分もいて、なんなんだよ、ってもなる。

それでも世界は回る、なにごともなかったみたいにみんな笑うしみんな生きる、おれだってそうさ、どうしようもないから生きるよ、とりあえず、なんて言葉あれだけどさ、生きてるに越したことないよやっぱり。いつか自分なりに消化したい。

5 「日本人」という幻想

 今、日本の外国人の数ってどれくらいだと思いますか?

 私は、大体50万人くらいかな、と考えてました。

 実はそんなもんではありません。数にして約230万人が「外国人」です。多いと思いますか?移民って別にもう珍しい概念でもなんでもなくて、現在進行形の事象。東京の約3.6%は外国人ですしね。

 日本人ってどういうイメージでしょうか。日本は単一民族国家だから、と移民受け入れの論がテレビでなされると多くの人が言いますが、これはさすがに違う、と言わざるを得ない。古来から中国、韓国、時には東南アジアと交易している国ですし、そうなると、混血は極めて当たり前のことと考えられます。特に韓国、中国系ルーツを持つ人間は特定しきれるか怪しいところ。

 

 現在、30~50人に1人は混血だと言われています。大体クラスに1人は「ハーフ」(あえてここではmixedではなくハーフを使います)なのです。国籍の上では、日本人であり外国人。そして、彼、彼女らはそんな時代でもいまだにそのアイデンティティに関して「純日本人」から悪意の無い質問を向けられるのです。例えばどっちの国が好き?とか、どっちが地元なの、とか。勿論純粋な知的好奇心でしょう。しかしそれを問われる度に彼、彼女らはアウトサイダー、としての認識を持ち続けなければならないのです。同じ時間、同じ環境に過ごしているのに。こういう日本人、だけどそうじゃないのかもって思わせてしまうのはなんというか、やるせない。(ちなみに、本当に日本以外の国で過ごしている人も多くいますが、彼、彼女らだってそれを聞かれたいか、っていうとノーが多いかも。)

 

 私は私のアイデンティティを日本人として一応認識していますが、もしかしたらそうじゃないかもしれない。「たまたま」、私の学部にはそういう「ハーフ」だとかパスポートが違う人が多くいます。でもたまたま、じゃないかもしれません。珍しいと思わされてるだけの可能性の方もある。でも、私はそれが日本のリアルに近いと思う。

 

 だから、もし「違った」アイデンティティを持ってる人がいてもそこばっかり聞くんじゃなくて、もっと普通な、好きな本はなに?、とか聞くといいんじゃないかな。そこにもしかしたら彼、彼女らのアイデンティティが表出するかもしれないし、しないかもしれない。

 

 結局、同じ人間ですし。

 

 

4 Fieh:ノルウェー発、グルーヴィーなサウンドを生み出す新星

 ノルウェー、行ったことありますか?というよりも知ってますか?が正しいかもしれない。というのも、私はノルウェーに交換留学生として1年ないくらい住んでいた。そんなノルウェー、巷における知名度の無さは凄まじい。

ノルウェーってあのイケアの?」それはスウェーデン

ノルウェーかあ・・・ムーミン?」それはフィンランド

ノーベル賞?」部分的に正解。平和賞だけノルウェーだ。

と、まあノルウェーでオーロラとサーモン以外の印象が出てきたなら100点だ。

ノルウェーがそろそろゲシュタルト崩壊してきた。ノルウェーに興味を持ったなら鐙麻樹さんというライターの記事を読むといい。マジで大体ノルウェーが掴める。

 

 

 私はノルウェーの首都、オスロに住んでいたのだが、オスロですら娯楽は限られる。いや、実際遊ぶ所はあるのだが、なんせ物価が高すぎる。店に入ればビール一杯1000円。日本の400円とは大違いだ。そんな外出を奨励しない物価は私をインドアにしてしまった。だが、幸いにも音楽は好きだったのでそれ関連でお友達もでき、ライブなどにも連れて行ってもらった。

 

 

 そうこうしていると自力で見つけたくなってくる。私の貧弱なサーチ能力で

「Norway Jazz Good」とかをグーグルの検索にぶち込みまくって出てきたのが

9人組バンド、Fiehだ。

まあ、私が知ってるくらいだからまあまあ有名だし、日本語の記事も今年になって増えた。

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Fiehのボーカル。キルビルでは無い。

 


 ところで、Fiehが生まれた街は正真正銘の田舎だ。Einaとか正直聞いたことすらない。

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Eina、すごいのどか。といっても、都市部でも少し離れたらこんな感じなのがノルウェー。平等を掲げてるし都市でそんなにデカい差は生まれない。(無いと言えば嘘)

そんな田舎育ちなFieh、音楽性は非常に都会的だ。日本でいうと誰なんだろうな、Suchmosをもうちょっと可愛い感じにしてホーンセクションがあってボーカルが女性・・・・

さすがにそれはもう別物か。つまらない説明は後回しにして聞いてみてほしい。

 

 

2曲紹介するが、どちらも甲乙つけがたいくらいハイクオリティ。

 

「25」 ベースがめちゃくちゃ小気味よく、ドラムの存在感もまた然り。大人しい曲調ではないんだけど、そんなに前のめりにならずとも聴ける。でもしっかり心躍るグルーブだ。4分あるけど2分くらいに思える。なんでだろうか。コメント欄にSuchmosがサンプリングしそうとあった。まあそうなのかも。

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「Glu」 こちらはすこしだけジャズっぽい印象。個人的なものだけど。序盤のキーボードの感じとかは今のジャズに近いかな。でもやっぱりグルーヴィー。リズムを生み出す天才です。

これも本当に4分なのか、って感じがあります。

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ライブバージョン。私はこっちの方が好き。キーボードの良さが存分に出てる。

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この歌ってるSofie(真ん中)すごい楽しそう、いいですね。

 

最近のR&B、ジャズが好きな人は多分刺さるんじゃないかな。是非。

まだ若いアーティスト、今から好きになって損は無いです。

3  何系?吉澤嘉代子

 ちょうど2か月前くらいだろうか、音楽好きの後輩がこいつは天才かもしれません、と彼女を薦めてくれた。彼女の名前は吉澤嘉代子

 キャリアは約5年といったところだが、既に10年くらいのキャリアを感じる。(もっとも彼女は16歳から音楽活動を始めているのでそうなのかもしれないが)というのも、彼女の音楽の振れ幅は5年モノとは到底思えないからだ。見てみてほしい。

 

 

 彼女を有名にし、そして私まで届けた作品が「残ってる」だ。まあ、かなりザクっと説明すれば、セフレかなんかの女の子がまだ昨晩の感覚があるなあと言っていて、YouTubeのコメント欄にも聞いてもないのに自分の不幸な身の上が大量増産されている。これだけ聞いたらいわゆるメンヘラ系と感じるかもしれない。(でも浅いメンヘラソングになってないのは彼女の実力。)

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 ところが

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これはなかなかきつい(いい意味で)

毛の悲劇、まあ思いますよ時々はこういうこと

でもこれを商品として出す、そしてこんなにもダサいダンスをする、ともすればエステ会社の2流広告と思われかねない歌をなんだかんだいい感じにしてる。特にのっけのシェーバー!のとこ、頭にこびりつく。

 

でも

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さっきを踏まえてこれ聴くと同じ奴が歌ってるとは思えない。

ジャズっぽい雰囲気、低音の力強さはたまらない。また、オロロンというサビのフレーズに「やばさ」を感じるかもしれないけど意外に普通に入ってくるのが不思議なところ。異端なフレーズを異端っぽく歌わないのはとても気持ちいい。最近、パワーワードな歌詞は多いけど、いかにもパワーワードって感じにされると胃もたれする。彼女はここの微妙な味付けが上手い。

洋梨, a song by Kayoko Yoshizawa on Spotify

一応、この曲も置いときます。これもたまげる。大人も聞ける「おかあさんといっしょ」ソングみたいな感じ。個人的にすごい好きです。

 

ジャンルが読めないアーティスト、増えてきてるとは思いますが彼女はなかなか分からない。歌詞がよくてジャズっぽいとすぐ林檎にさせられるのですが(それだけ林檎はすごい)林檎ともまた違った魅力がありつつ、また、共通点もあるかと。

私も吉澤初心者なので、これからもっと聴きたい。では。

2 空回りしながらも動く、ということ

 先日、友人たちと、自分の人生をプレゼンしてみようという企画があった。友人の持っている人生軸、ある種のフィロソフィを知ることができ、その企画自体は大変満足であった。

 しかし、私は大変当たり障りが無いプレゼンをしてしまったのではないかと感じたのだ。大失敗ではなかったが、大成功と呼べるものでもなかった。というのも、自分の人生を見たときに、行動が割合受け身だからである。私は幼い頃、転勤が数度あった。その度、転勤先に順応するため最もベストな行動を選択し、環境に順応していった。(ベストと勘違いしているだけだが)勿論、その中には上手くいかなかったパターンもあった。それでも最終的にはレールに上手く乗せてきたとは思うが。レールに乗せる、これが受け身を作ってしまう。出来事をなんだか降ってくる、運命的なものだと思うのもありっちゃありだが、それは主体性を奪ってしまう。主体性ってなにか分からんけど。しかし、確かに主体性を感じる人もいた。

 

 

 主体性、それを友人のひとりのプレゼンから感じた。そのプレゼンはけしてなめらかでなく、正直に言えば聞きづらいものではあった。自分が話しているときにも絶えず不安を口にしていたし。でも、友人のやっていることは度を越していた。国連で働きたいから大学院の授業を学部一年から聴講したり、アフリカのある国に行って実地で働いたり。友人はそういう経験を経てもまだまだ自信なさげだった。確かに友人は努力が空回りしたり、間違った方向にアクセルを踏んでしまうこともある。でも、動いている。私のように安全圏で勉強しているのではない。それが「見当はずれな努力」でもきっと糧になっている。友人は自分のプレゼンが終わった後も他の人に関心を向け続けていた。私は中々そうなれない。きっと自分と他を比べて嫉妬したりしたから。(認めたくないだけで嫉妬もした、嫉妬というより劣等感かも)空回りするエンジンの方がサンプル品のエンジンよりマシかもしれない。

だっていつか動くかもしれないから。

1 挨拶

 「恥の多い生涯を送ってきました。」という有名な一節、実は書き出しの文では無いのです。

私はそれが書き出しだと思っていまして、初めて本を取った時には少し拍子抜けのような気持ちになったものでした。

とはいえ、大体の人間の人生は恥まみれであり、私も不本意ながら、その一部に組み込まれる形になっています。

何故恥が多くなってしまったのか、なんでやなんでやと探してみたい所存です。

ちなみにですが、国際系の勉強をしています。